2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夏コミとコミティアの告知

夏コミは8月14日(日曜日)西“み”20a「ハムくまズ」、翌週8月21日のコミティアはK20b「ハムくまズ」で、どちらもサークル参加します。 夏コミ新刊は2冊(コピー本が間に合えば3冊?)、コミティア初売りの新刊の予定はありません。******…

誰も見てないと思って(実際カウンターの回り具合もほぼ自分だけ状態だし)好き放題メモ帳として使っていたこの場所でしたが、夏コミの新刊を無事2冊とも入稿したので、一応こちらも告知モード。

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僕は笑いながら君の頭を撫でた。大丈夫だよと言いながら、泣く君がまた小さく笑うまで。 その時、僕たちの笑い顔は作り物だったかもしれないけれど、神様はそれを嘘吐きだなんて罵りはしないだろう?

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夜の屋根の上は、ひとりぼっちでも孤独ではない。そこは天の星ぼしと繋がっている。 僕は少し傾いだ屋根瓦の上に寝転び、背中に仄かな熱を感じながら、つめたくてあわ立つ水を飲む。空を遮るものはなく、星は手を伸ばせばすぐに届く場所に輝いている。 遠く…

16

君からもらった丸い飴玉を、満月の夜空に透かす。月と飴玉が綺麗に重なり、痘痕顔の月面がとろけて見える。ふたつの丸がすっかり溶けあったので、私は君のことを想いながら、指先の月を口の中に放り込んだ。

15

この空を飛ぶなんて元々無謀だったんだ。 落ちていきながら私はあまりにも遅い後悔をしていた。 下はおそろしく黒く深い森。 あるいは即死を免れるかもしれないけれど、その後どうやってそこから脱出するというんだ? だから最期の数秒は、走馬灯に身を任そ…

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君はいつも楽しそうに踊っていたから、展覧会の中で一番好きな展示物だった。科学者の叔父さんから貰った無料チケットで毎日観に行った。叔父さんに熱心さを褒められたのは良かったけれど、叔父さんの作った乗り物には目もくれずに君ばかり観ていたものだか…

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一緒に住んでいる友人が、急にSNSのアカウントを消した。どうしたのか、何かトラブったのかと聞いても曖昧に笑うばかり。サイトもブログも消したようだ。どうやって申請したものか、インターネットアーカイブからもGoogleのキャッシュからも綺麗に消えていた…

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ずうっと昔から、その書店の玄関先には三毛猫が居た。時折欠伸をしながらふくふくと昼寝している。 もう数十年になるぜ、尻尾が割れているんじゃないのかい、と冗談交じりに話したことがあるが、なぁに旦那。種明かしをすれば詰まらない話で、代々子猫が跡を…

11

草原の草は妙に青白くて半透明で、踏みつけるたびにパリパリと乾いた音を立てた。齧ってみると、錆びた金属のような味。足跡が綺麗な一直線に残っている。誰かに踏まれるだなんて、この草たちは進化してこのかた想像したこともなかったのだろう。 私は何故、…

10

先生はずらりと人間の標本を並べている。まるで生きているような世界各国のひとたちがさまざまな民族衣装を着て、ふたりずつ手を取り合っている。 だから僕も当然、最後には先生のコレクションのひとつになるのだろうと思っていたけれど、なかなかその日は来…

廃墟の森で空を眺める。彼女のセンサーは壊れかけているから、黒い廃油の流れも小川に見えるし、崩れ落ちそうな風力発電機を大樹だと信じている。そもそも彼女は何時から彼女なのだろう? いろんなものが足掻くように接続を繰り返し、もうほとんど動くことが…

お鍋をことこと、煮込みながら、一日の物語を考える。朝、寝坊しかけたこと。学校に行って、お昼は学食。午後は小テストに失敗してちょっとへこんだけれど、帰り道に寄った本屋さんに大好きな漫画の新刊が出ていたので気分良くなって。帰宅して漫画を読んで…

久しぶりだね、とあなたが言って私の髪を撫でた。逢瀬を秘密にしたくて、私は吐息で足元に霧を産み出す。 永遠と秘密はとてもよく似ているのだから。

恋人と一緒に歩いていたら、いきなり見知らぬ人が現れて、この泥棒猫!だとか何だとか、古式ゆかしく私を罵倒した。泥棒だなんて、人間を物扱いするとは失礼ですね、と言うと、人間の部分になど興味はないのだと言って、恋人の頭に生えていた無数の緑の芽を…

テレビを点けたまま、PCでタブブラウザを開き、となりの台所ではお鍋がことこと煮えていて、読みかけの漫画が床の上に3冊。そんな部屋で泣く君を慰めている。 そんなに泣くなよ、泣きたいだけ泣けばいいさ、いい加減にしろよ、いつまでも待つよ、アンビバ…

少女は冷凍庫の中で恋をする。アイスクリームの影に、氷を透かして、いつも見えているのはあの人の影。少女もあの人もずっと凍り付いているから、動くことも近づくことも出来ないし、離れることも腐り落ちることもない。 考えごとさえ出来ないほど冷凍された…

霧にむせぶ森の奥深くで、私はこれが夢だと気付いた。 足元から細い糸のようなものが地中に延びていて、そのずっと下の方に、眠ったままの私の身体があるようだ。眼を覚まさなければと思うけれど、夢の中の大気はおそろしく密度が濃く、寒い冬の蜂蜜みたいに…

雑木林を散歩して抜けると、そこは知らない学校の校庭だった。ほら雑草を抜かなくちゃと言われ、言われるままに抜く自分をふと省みると野球部のユニフォームを着ている。炎天下の草取りは暑い。水を飲んだらバテるから駄目だぞ、と教師の野太い声がする。マ…

1(創作メモっぽい雑文です)

隙間には何が挟まっている? 決まってるさ、女の子だ。 天井と壁の境目が、建て付けが悪いのか少しばかり隙間になっている。毎晩眠る前に、豆電球のオレンジの光の中でその隅っこを見ていたら、そこに女の子が見えてきた。細い隙間に身を屈め、窮屈そうに挟…

最近読んだ本など

思い出したあたりを適当に。ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)作者: パオロ・バチガルピ,鈴木康士,田中一江,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/05/20メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 629回この商品を含むブログ (124件) を見るねじまき少女 …

夏コミなど

サイトトップには書いてたんですがこちらには書いていませんでした。夏コミは8月14日(日曜日)西“み”20a「ハムくまズ」です。新刊複数準備中。よろしくお願いします。 詳しいことは創作漫画用ブログの方に。 ⇒作品置き場:http://misaeland.blog.so-net.…