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夜の屋根の上は、ひとりぼっちでも孤独ではない。そこは天の星ぼしと繋がっている。
僕は少し傾いだ屋根瓦の上に寝転び、背中に仄かな熱を感じながら、つめたくてあわ立つ水を飲む。空を遮るものはなく、星は手を伸ばせばすぐに届く場所に輝いている。
遠くから声がする。大丈夫だよ、と。僕は目を閉じて、そのまま夜空に吸い込まれる自分を夢想する。