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この空を飛ぶなんて元々無謀だったんだ。
落ちていきながら私はあまりにも遅い後悔をしていた。
下はおそろしく黒く深い森。
あるいは即死を免れるかもしれないけれど、その後どうやってそこから脱出するというんだ?
だから最期の数秒は、走馬灯に身を任そうと思っていた。
それなのに、私の目の前には玉虫色の翅が広がり。

(ああ、迎えに来てしまったのか)