元ネタを指摘するとき

前に「ワークワーク」の参賢者「ヨキ・コト・キク」の元ネタは小春こころさんの漫画だという指摘を見たことがあるのですが、多分藤崎竜先生が参考にしたのは歌舞伎の役者さんが着てた着物の柄の「斧、琴、菊」のほうだと思うんですよね。もちろん前記の漫画だって、歌舞伎の柄をモトネタにしているわけですが、ぐぐったら春野さんの漫画のほうが先にヒットするから、歌舞伎のほうを知らなければ誤解も無理なしとは思うんだけど、今までの藤崎先生の作風や藤崎作品の今までの元ネタの傾向から考えると「フジリューが参考にしたのは歌舞伎のほうじゃないかなー」と推測できます。
世界の中心で、愛をさけぶ」はエリスンの「世界の中心で愛を叫んだけもの」ではなく、エヴァの最終回のタイトルを元にしてるって担当編集者さんがテレビで言ってました。この場合、エヴァの元ネタがエリスンでも、三段論法でセカチューの元ネタがエリスンになるわけではないですよね?
「○○の元ネタは××だ」って指摘するのって難しいよなって思います。とくに浅はかな知識で「これが元ネタだ!」って指摘した元ネタ作品が、そもそも超有名作品を元ネタにしていることが明らかな作品だったりしたら恥ずかしいし、○○のほうが××よりも発表年代が先だったりしてもコリャ痛い。あと、有名な言い回しや諺とかを元にした似たタイトル・内容の作品がふたつあったとしても、多分そのふたつの作品は影響を受け合ってはいない可能性が高い。でも、その大元の言い回し(一般常識)を知らなければ、どっちかがどっちかの元ネタだパクリだと言ってしまいかねない。
元ネタは何々だって議論は、類似を指摘するだけだから簡単なようでいて、広い知識と作品の読み込みと歴史的な理解などがないと、本当は出来ないものだと思うのです。