萌えと表現との話

こっちのジャンルを始めてからというもの、いろんな方の二次創作サイトを見たわけですが、けっこう
「あーもう、惜しいなあ…!」
と思う作品があるのです。何が惜しいかって、頭の中の萌え妄想が先走っちゃって、とにかく自分の萌えシチュ部分を早く書きたくって、途中すっ飛ばしてしまってるようなSSとか漫画です。
たとえば…ちゅー描きたいとするじゃん? でも、よほど神の画力や文章力がないと、ちゅーだけ描(書)いても読者はなかなかきゅんきゅんできないんですよ。そこまでの過程とか、感情の移ろいとか、どんな流れでそうなっちゃったのか…頭ん中では多分そういうのも事細かに考えてると思うんです。でも描く段階では「自分はわかってる」からつい省略しちゃうのかなーと。そんでいきなりちゅーの場面から描いてしまうと。
でも、もしその作品で、他人にも萌えて欲しいて思ってるんだとしたら、肝心なのは「過程」の方です。もっとネチネチ「ソレに至るまでの物語」を描かないとエロスは発生しないと思うのですよ。
うん、自分のためだけに描くポルノグラフィならそれでもいいと思う。でも、サイトを開設して公開している以上「誰かに見てもらいたい」「誰かにわかってもらいたい」「誰かに萌えてもらいたい」と思ってるんですよね? それならばやっぱ、こういう表現技術も必要になって来ちゃうんじゃないかと思ったりします。
あんまり人のこと言えないけどね私も。自戒の意味も込めて、ちょっと思ったことを書いておいてみました。