読書日記
というわけでようやくホーガンの巨人三部作読了〜。
- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1983/05/27
- メディア: 文庫
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ものすごい勢いで人類と科学と未来を全肯定していて、いつもコレじゃゲップが出そうだけど、時にはこういう突き抜けた明るさの作品も良いものですね。この作者さんはどんだけ人間大好きなんだと思いました。気持ちの良い読後感です。
以下ネタバレ要素を含むので隠します。
1・2作目までは理性的な異星人と科学者たちとの物語で、話がぜんぜんブレなくて実にいい感じの知的快楽だったのですが、3作目は政治家やら何やら、賢く立ち回らないタイプの人物が増えてしまって正直序盤は読むのがダルかったです。しかし途中である人物の驚くべき正体(読者諸氏にはバレバレだった気もするけど)が示唆されたあたりから俄然テンポが良くなり、後半のラスボス的存在との最終バトルになって以降はもう一言で言うと…
「それにしてもこの地球人、ノリノリである。」
…って感じで面白くて面白くて。あまりにも楽しそうなハント氏とダンチェッカー氏(この生物学者は希代の萌えキャラだと思う)、そして仲間たちの戦いっぷりに何かもうニコニコしてしまいました。そして見事に全3作にわたった円環が閉じるというスッキリ爽快なオチ。ああでも私、あまりに少年漫画的なノリの展開にてっきり「ありがとうガルース……君たちの戦いを僕らは決して忘れないよ……!(見開き大宇宙を背景にシャピアロン号の勇姿)」ってことになると思って真剣にハラハラしましたよ。どう考えてもあれ、神風特攻フラグに見えたよ…。ハッピーエンドで良かった!(悪役さえも不殺の展開とは恐れ入りました。死ぬより酷い仕打ちと言えるかも知れませんけど)
SF的には全2作に比べて薄かったですが、「スッキリしたい」気持ちの時には最適な読み物でした。