思うがまま垂れ流し読書日記

急にSF分が足らなくなったので、先日購入しておいたアシモフの「ミクロの決死圏」を一気読み。映画を観てツッコみたくなった部分をほぼ完璧にフォローしてあって満足。唯一気になったのは「1人の肺の片隅から数分の間に5人×1時間分の酸素分子を取り込めるのかなあ?」くらいかな。今でいうところのツンデレ気味なコーラ嬢の言動が実に良かった。「べっ、別にあなたが心配なんじゃないんだからね! 怪我してる人の手当てをするのは当たり前じゃない!」みたいな。

続編「目的地は脳」もさっそく購入…しようとしたらAmazonには中古しかないや。絶版本以外は新品購入する主義なんで、古書店を利用するかどうか悩みどころ。早川ってどんなに品切れ状態でもなかなか「絶版」って言わないよねー。それにしてもこの本、古本の値段がワゴン価格からプレミア価格4桁まですごくバラついてるのが気になる。よほど状態が違うんだろうかと思うと、安いほうから適当にユーズド商品を選ぶのもためらわれるんだよなあ。で、まだSF分が足らないので、積ん読本の中から「星を継ぐもの」を発掘して読む。表紙と基本設定は自分の好みストライクというわけではなかったのですが(だから長いこと積みっぱなしだった)読んだら素晴らしい「広がり」に震えた。ストーリーの機微とかキャラクターの魅力という観点からはツッコミ所が多く、科学的にも多分あちこち微妙なのでしょうが、この「広がり」としか表現し得ない、SF的な驚きと喜び、そして余韻にもう細かい欠点なぞどうでもよくなった。もうひといき詩情が欲しいと思ってたらラストの1文で完全充填。私が今さら言うまでもないですが、これは傑作です。こちらは続編2作ともAmazonに在庫ありだったので速攻で購入。続編の展開は大風呂敷全開になるらしいので、それはそれで楽しみだ。
星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

それにしても60〜70年代のSF作品を読むにつけ、これを少年少女期にリアルタイムで体験することができた世代の皆さんがうらやましいとつくづく思います。邦訳が沢山出て日本でもSFブームが巻き起こってた頃っていうと1960年前後生まれくらいの人がストライクゾーンなのかな。私はもうちょい後の時代に生まれ、SFハマりたてでSFマガジンを楽しく買ってた時期に「冬の時代」論争が本誌読者欄で巻き起こってそりゃもうガックリした覚えがあるので(昔っからのファンはどう思ってるか知らんが、私は「今ここにある」SFにワクワクしてるんだ! うるせー! と憤慨してた…若かったよなあ)殊更にそう思うのかもしれない。