ネウロアニメ第16話感想

文句も言いつつも「アニメはアニメで別物」として面白がりながら視聴しております。…でも今回はちょっと不満のほうが勝ってる感想だと思います。
以下ネタバレ。
いやいやいや、コレはないだろうというのが第一印象。
総集編が始まったのかと見紛うような展開の速さ。さすがに呆然とするしかありません。原作を知ってても付いていけなくて困るほどなのですから、アニメから入った人がどれだけ置いてけぼり食らったろうと思うと…せっかく原作でも人気の高いHAL編なのにもったいないと感じざるを得ない。
そもそもこの作品、原作ファンが抵抗を感じるほどにアレンジを加え、初見の人向けにアニメ化していたと私は理解していたのですが(そのアレンジ自体の是非はともかくとして)ここに来て、こっから山場で見どころ!ってところで、今度はアニメ初見組を置いてけぼり展開というのはあまりに一貫性がない。原作のファンもアニメファンもふるい落として、それなら誰に見て欲しいのか?と疑問に思う演出でした。
春川登場、犯人豹変、電子ドラッグなど、ひとつひとつの場面を見るといい感じなのがまた悔しい。街の人々が徐々にドラッグに犯されていく場面も宝石店の止め絵数枚じゃ何がなんだか…。原作に比べて「普通の女の子」っぽさを全面に押し出して描いている弥子をこういう時こそ生かして、街で弥子がドラッグ患者に襲われ…(吾代を活躍させたいのなら「弥子のピンチ、そこに吾代が!」みたいな展開で吾代を事件に絡ませればより一層自然な展開になっただろうし)…みたいな場面を挿入するだけで臨場感がだいぶ違ったと思うんですよ。
穂村の放火事件にまる1話使って、「でもこの犯人…なにかおかしい気がする…」までで期待を持たせてヒキにしたほうが断然視聴者の気持ちだって惹き付けられたと思うんだけど、何でまたAパートに押し込めちゃったのかなあ。どう考えても詰めすぎだというのは製作者にだってわかんないはずないのだから、むしろ不思議に思います。せっかく期待していたのに…残念です。
ただ、先に書いたように、ひとつひとつの場面の雰囲気は良かったんですよね。特に電子ドラッグの雰囲気は「まさにこれ!」ってイメージどおりのものがテレビで放映されてて感動。あと犯人豹変、シャツをズボンに入れるカットが無駄にカッコよくて笑った。脚本は一度決まったら動かせないんだろうけど、作画が自分の出来る範囲内で頑張ってるなあって思います。そういえばアニメ化決定当初は一番不安だったネウロの作画もずっと安定してますし。
登場人物としては、今回春川とヒグチが初登場でしたね。おおお! 春川が津嘉山正種さん! 私津嘉山さん大好きなんです…「クロス・オーバー・イレブン」の頃は音声だけの彼に恋してましたよ。その素敵なハスキーボイスで春川が喋ってるー! 予想もしていなかった人選だったので嬉しいです。…だからこそ展開が速すぎ(=必然的に春川の台詞量減少)なのが悲しいです。
ヒグチの声の第一印象は、ちょっと気取りすぎかなって感じでした。私のイメージではもうちょっとガキっぽい声だったので。ポケモンで例えるなら「私のイメージではサトシの声だったのに実際はシゲルの声だった」みたいな違和感(わかりにくい)。でもこういうちょい気障なヒグチもありかな。今回は顔見せだったので、カーチェイス以降の壊れかけた彼の叫びがどんな感じになるかに期待しています。
ところで今回の話、刹那は出るのかなあ…。このペースの速さだと刹那の回想なんて数分(下手すると春川が台詞で説明するだけ)になってしまうんじゃない? 丁寧な積み重ねもないまま話が進み、ラストで「私は満足だ…」って言われても「いや視聴者は不満だよ!」ってことになりかねないと思うんですよね。そんならいっそ春川が豹変キャラになるくらい別物にしちゃってくれたほうが吹っ切れるんだけど…って思うのは少数意見でしょうか。あと、細かい突っ込みになるかもしれませんが、弥子が「今までの犯人には芯があったのに今回の放火犯は芯を無理やり作らされた感じ」だと原作どおりの台詞を語ったにも関わらず、春川が電子ドラッグについて電脳世界でネウロに語る場面で、今までの犯人たちがあたかも「電子ドラッグによる患者」であるかのようにカットインしていたのが非常に気になります。アニメでの電子ドラッグって、作中時間のいつから存在してどこまで影響を及ぼしているものなの? アニメ版で設定を変えるのは私としては許容範囲なんだけど、これじゃ辻褄があってないんじゃないでしょうか。
そんなこんなでHAL編は不安。ひとつの場面を取り出してみたらいいんだけど。全体を構成する軸がグラグラな印象。
次回もこんな調子で続いて、100%文句ばっか書いてしまうことになりそうなら、また面白くなってくるまでしれっと感想休止しますのでその際は「なるほど…」とスルーしておいていただければと。