アニメネウロ感想

第8話「夢【みらい】」の感想です。
以下ネタバレ。
今回はオリジナルストーリー、等々力さんと似た系列の新キャラ登場。刑事の「笙子」さんって、アニメで聞いたときはピンときませんでしたが、公式サイトで漢字を確認したらちゃんと刑事=たけかんむりの法則に合わせてあるんですね。弥子ちゃんとも親しくなったようだし、ひょっとしてこれからちょくちょく登場するキャラクターになるのかもしれないなと思いました。アニメ全体の構成を、徐々にオリジナル展開にシフトさせていくのかな…とまで感じたのは深読みだったかな。

真犯人の動機「刑事ドラマに憧れるあまり、憧れの刑事のように殉職したい」というのは面白いと感じました。最終目的が「自分を殺してもらう」というひねくれたものであるせいで、事件の「何故」「誰が」の部分がカモフラージュされてしまうというのは、きちんと踏み込んで描いたら普通のミステリとして綺麗に成立しそう。冒頭の犯行シーンで犯人が地面の血を踏むとき一瞬躊躇したような動きの演出だったのが、ちゃんと伏線(物証を残すためにわざと踏んでいた)になってるのが上手い!と思いました。ごくごく普通の、抑えた演出の推理アニメ(金田一少年みたいな)だとかなりいい仕事しそうな印象。…むしろ、そんないい感じの動機・伏線を最後にトンデモ推理で引っ掻き回してしまったのが勿体無い。いっそ豹変もネウロもなしの、刑事さんサイドでだけ話が進むような静かな話でまとめたら…それって…既にネウロじゃないですね…。

相手を催眠術で操ってたんだ!には推理というには妄想すぎるし、足紋については靴下を履いてたら出るわけないから(他人の靴なんだから十中八九履くでしょう)犯人が動転して「ラップ巻いてたんだよ!」って致命的な台詞を叫ばなきゃ証拠にはなりえなかったわけだし…と考えると、今回ネウロ、何も決定的な証拠をだしてないですよね。「魔界能力で見た」って言えない以上は人間が納得する形の証拠を準備してから犯人指摘するべきだったんじゃないだろうか。あまりしっかり推理してないよね。

今回の豹変はストレートだなー。いつも何だか物足りないんだけど、「もっと巨大ロボみたいなケレン味たっぷりの構図と演出で変身すればいいのになあ」と思います。古い話だけど、アニメの「ミスター味っ子」の食事シーンみたいなノリで。

魔界能力はちょっと可愛さが足りなくてビジュアル的に不満でした。単に自分が「オカマ系」で笑いを取ろうとするセンスが好みでないからかも知れないです。

アニメでの弥子は原作より優しくて饒舌で人情に篤い人物だと考えればいいんだな。今更ですがようやく慣れてきました。原作みたいにあまり弥子がネウロの魔人流儀になれてしまうと演出しにくいのかも知れない。今回の冒頭の悪夢とラストの笙子刑事への台詞を観てそう思いました。優しい少女が健気に頑張ってるという視点で見ると、今まで「原作はこうなのに…」と多少イライラしてた部分も違って見えるんじゃないかと思いました。

次回はついにアヤ登場ですね。とにかく、アニメであの「歌」を100%表現するのは不可能に近い設定なので、そこのところをどう誤魔化して彼女の神秘性を際立たせるかに注目です。